コメは日本人の主食ですが、
家庭菜園で栽培している人をときどき見かけます。
田んぼのイメージがあるので、どうしても
ハードルが高く感じてしまいがちですが、
コメを作るのは、とっても縁起が良いのだそうです!
しかし、最近では「バケツ稲」なる、
バケツで稲を育てるという方法が普及し、
家庭でも手軽にコメを育てることが
できるようになりました。
■コメのプランター栽培のポイント
1.底に穴の開いていない容器で栽培します
2.土と堆肥を混ぜたら、1ヶ月ほど熟成させます
3.水が腐らないよう、夏場は水がなくなってから足します
一般に販売されているコシヒカリなどの他に、
”古代米”などを栽培しても良いでしょう。
古代米とは、イネの原種である野生イネの特徴を持つ
コメのことです。
一般に赤米・黒米・緑米と色がついていることが多いです。
古代米は生命力が強いため、家庭菜園でも丈夫で
育てやすいです。
また、白米に比べてタンパク質やビタミン、ミネラルを
多く含みます。
ただし、白米よりも収量は少なくなります。
■栽培管理
・容器
バケツのほか、トロ箱、ゴミ箱など、底に穴の開いていない
容器なら、何でもかまいません。
直径、深さ共に30cm程度のものがよいでしょう。
・用土
土と完熟牛糞堆肥を混ぜ、油かすを肥料袋に記載の
使用量加え、1ヶ月ほど放置して肥料分をなじませます。
土は、市販の培養土のほか、庭土や使い古しの
土でもかまいません。
ただし、土によって完熟牛糞との配合バランスを変え、
肥料分を調整します。
培養土と堆肥は2対1、その他の土の場合は
1対1とします。
・タネまきと育苗
4月になったら、タネまきをします。
セルトレイに市販の培養土を入れ、水をかけて
十分に湿らせてから、1穴あたり4〜5粒のタネモミをまきます。
厚めに土をかぶせてから水やりをし、
さらに上から土をかけます。
発芽したら、間引かずに1ヶ月ほど育苗します。
◎豆知識
コメは発芽率が悪いですが、下記の処理を行うと
確実に発芽したタネモミを巻くことができます。
タマゴが浮くくらいの塩水を作り、タネモミを入れて
かき混ぜます。
沈んだタネモミは大きくて重い良いタネモミですので、
沈んだタネモミだけを取り出し、水で洗ってから、
水に浸し、日光の当たらない室内に10日ほど置きます。
水は腐らないよう、3日に1回取り替えます。
タネモミから白い芽が1mmくらい出たら、
タネまきをします。
この処理をした場合は、確実に発芽するため、
セルトレイ1ヶ所当たり3〜4粒にします。
・植え付け
容器に用土を8分目まで入れ、深さ5cm程度になるよう
水を張ります。
指などで深さ3〜4cmの植え穴を開け、
セルトレイから取り出した苗をそのまま植え付けます。
株間は10〜15cm程度とします。
・追肥
追肥は基本的に不要ですが、葉の色が悪くなったら、
油かすを与えて追肥を施します。
・水やり
夏の高温期は水が腐りやすいので、
水がなくなってから足すようにします。
■収穫
株全体が色づいて穂が垂れ、穂の付け根の部分が
黄色くなったら収穫します。
株元からハサミやカマで切り取り、数株ずつワラなどで束ね、
日当たりと風通しが良く、雨があたらない場所で
1〜2週間乾燥させます。
全体が茶色く乾燥したら、穂からモミを取る”脱穀”を行います。
ハサミで穂先だけ切り、割り箸で穂を挟み、
モミをしごき取ると簡単です。
次に、モミ殻を取り除く”モミすり”を行います。
すり鉢にモミを入れ、すりこ木ですります。
力を入れすぎるとコメが割れてしまうので、
力の加減には注意します。
息をかけてモミ殻を吹き飛ばし、選別します。
ここで残ったものが玄米です。
白米にするには、”精米”をする必要があります。
空き瓶などに玄米を入れ、棒などで突くと精米できますが、
毎日2〜3時間ずつ行っても、白米にするのに約1ヶ月ほどかかります。
ある程度量がまとまっているのなら、精米機にかけるとよいでしょう。
黒米や赤米は、完全に精米すると白色になってしまうので
精米しすぎないように注意します。
■病害虫
ボーフラが発生することがあります。
容器を傾けて水をすべてボーフラごと流し去ります。
土にもぐりこむボーフラもいるため、新しい水を勢い良くいれたら、
再びすべての水を流します。
ボーフラを流した後は、再び水を張っておくのを
忘れないようにします。
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