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サツマイモ、収穫が楽しみです


サツマイモの原産地は、中南米の砂漠地帯のため、
暑さに強く、やせ地で水や肥料が乏しくても育ちます。

水やりにいけない市民農園などでも育てやすい野菜です。
では、サツマイモの育て方をご紹介しましょう。 


   
■サツマイモ栽培のポイント

1.元肥が多くなり過ぎないように注意します
2.暖かくなってから植え付けます
3.中耕・土寄せでイモの肥大をたすけます 


サツマイモには、ホクホクした食感の粉質タイプと、
しっとりした食感の粘質タイプがあります。


■品種

粉質タイプでは、「ベニアズマ」や「高系14号」などが
育てやすいでしょう。

粘質タイプでは、「べにまさり」などが育てやすいですが、
ねっとりとした肉質と甘みが人気の「安納芋」など
人気の品種に挑戦してみてもよいでしょう。

そのほかにも、皮が白い「コガネセンガン」や、
中身が紫色の「パープルスイートロード」、
オレンジ色の「アヤコマチ」など、様々な種類があります。


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元気に育っています


■サツマイモの栽培管理

サツマイモは窒素肥料が多いと、茎葉ばかり茂り
イモが育たなくなる”つるボケ”になりやすくなります。

特に家庭菜園の場合、前に作っていた作物の肥料が
残っている場合があるので、注意が必要です。


・植え付け
植え付け適期は暖地で5月〜6月中旬、
中間地で5月中旬〜6月中旬、寒冷地で6月です。 


サツマイモは、さし苗の節から出る根が肥大してイモになります。
そのため、土の中に埋めた節の数だけイモができるので、
節の数が多ければ、たくさんイモができる可能性が高くなります。
節の数が多いさし苗を選びましょう。

植え付け1週間前に、1uあたり堆肥2kg、有機配合肥料を
100が混ぜ込み、よく耕して、幅60cm、高さ30cmの畝を立てます。
サツマイモは乾燥した土を好むので、高畝にします。
酸性土壌でもよく育つため、特に苦土石灰などは必要ありません。

苗の植え方には、船底植え、斜め植え、水平植えなど
数種類がありますが、舟底植えか水平植えがよいでしょう。
株間は30cmとします。


・舟底植えは?
深さ5〜6cmの舟底のような形の穴を掘り、
苗の3〜4節が隠れるように植え付けます。

・水平植えは?
深さ5〜6cmで穴を掘り、苗を水平に置き、
4〜5節が隠れるように植え付けます。

植え付ける際は茎を地中に埋め込みますが、
葉の部分は地上に出すのがポイントです。

植え付け直後と、2〜3日後の2回、水をたっぷりまくと活着率が高まります。


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サツマイモ畑!


◎自分で育苗したい場合は?
好みの品種の苗が見つからない場合は、
自分で育苗することもできます。

プランターの半分程度まで培養土を入れ、
イモを丸のまま、横に置きます。
イモがしっかりと隠れるように培養土をかぶせ、
たっぷり水やりをします。

その後は暖かい場所に置き、土が乾燥したらたっぷりと
水を与えていると、40〜50日でつるが約30pにまで伸びますので、
良いものを選んで株元から切り取り、さし苗とします。

ただし、自分で育苗したさし苗は、ウイルス病に感染している
可能性があります。
ウイルス病に感染している苗から育てたサツマイモは、
食べる分には問題はありませんが、イモの表皮がひび割れるなど、
品質が低下することがあります。

品質の良いイモを収穫するなら、「ウイルスフリー苗」や
「メリクロン苗」として販売されている苗を購入するとよいでしょう。 


・中耕・土寄せとつる返し
植え付けから2〜3週間後、つるが伸び始めますが、
生育が活発になる前に雑草の勢いに負けないよう、
つるが畑全体を覆うまでの間、1〜2回、
畝の表面の除草と中耕を兼ねて、手グワなどで株元へ土寄せします。


植え付けから2ヶ月もすると、つるが畝を覆いつくして
四方へ広がってきます。

あまりにも広がりすぎるようなら、菜園の空いている方へ
つるを動かしてつる返しします。
つるは、途中で切ってしまっても、多少なら問題ありません。

・追肥と土寄せ
植え付け後3週間ほどして、つるが伸び始めたら、
1株当たり軽く1握り(約10g)の配合肥料などを株の周囲に施します。

追肥後は、除草をかねて軽く中耕・土寄せをします。
中耕・土寄せにより土中の空気の通りがよくなり、
イモの肥大が促進されます。

・水やり
サツマイモは乾燥を好むので、植え付け直後を除いて
水やりは必要ありません。


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サツマイモ、こんな感じでできています!


■収穫

10月上旬〜11月中旬、霜が下りる前に収穫します。
茎や葉が黄色くなり始めたら収穫適期です。


まず地際から10cm程度のところで茎を切り取り、茎葉を片付けます。
次に、株元から15〜20cmはなれた場所にスコップを差し、
株元を持って引き抜きます。

収穫後は、4〜5日間風通しのよい日陰で干すと、甘味が増します。

保存する場合は、冷蔵すると低温障害を起こすので、避けます。
陰干し後、紙に包んでから発泡スチロールの箱に入れ、
10℃以下にならない場所で保存します。
温度が高すぎると発芽してしまうので注意します。


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家庭菜園の大学芋は旨いです


■病害虫

病気は特に心配ありません。

害虫は、ネキリムシやハダニ、コガネムシの幼虫等が発生します。
見つけ次第捕殺しましょう。

ネキリムシやコガネムシの幼虫には、苗の植え付け前に
薬剤を土壌に混ぜ込むと、防除できます。

ハダニの被害にあうと、葉が白くかすり状になります。
薬剤を散布して防除します。

>>サツマイモの苗を各種見てみる
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