トウガン、保存性が高く美味です
トウガン(冬瓜)は平安時代から栽培されている、
歴史の古い野菜です。
8月〜10月に収穫されますが、貯蔵性が高く、
冬まで持つとされるため、”冬瓜”と名づけられました。
■トウガン栽培のコツ
1.連作は避け、3〜4年間は別の野菜を栽培する
2.肥料が多すぎると繁るだけなので肥料は控えめに
3.収穫後は風通しのよい冷暗所に
雌花(奥)は花の根元が膨らんでいます
■トウガンの栽培管理
・タネまき
トウガンのタネは、4月上旬〜中旬にまきます。
タネは一昼夜水につけておくと、発芽率がよくなります。
ポットに3〜4粒タネをまき、3cm程度覆土します。
発芽適温は25〜30℃と高いので、
ビニールトンネルやキャップをかけると防寒になり、
発芽しやすくなります。
本葉1枚頃に1株に間引き、本葉2枚頃、
大きめのポットに鉢替えして育苗します。
・植え付け
日当りのよい場所を選び、あらかじめ苦土石灰と堆肥を施して
よく耕し、3m幅の畝を作ります。
苗が本葉4〜5枚の頃、株間80cm〜1mで植え付けます。
根鉢を崩さないように浅植えにするのがポイントです。
トウガンは高温を好むので、ホットキャップをかけたり、
ビニールで覆ってあげると、初期生育が早まります。
・摘芯
子づるの方に花をつける性質があるため、
親づるは6〜7節で摘芯し、子づるを伸ばします。
子づるは、生育の良いもの4本程度を残し、
他は摘み取ってしまいます。
第1雌花を実らせると、つるの伸びが悪くなるため、
第1雌花は摘み取って、第2雌花以降を着果させます。
子づるに実をつけさせるため、子づるにつく孫づるも、
子づるに実がつくまでは芽かきします。
・追肥
植え付け2週間後と、果実が太り始めた頃に追肥を施します。
トウガンは肥料を好むため、肥料切れを起こさないように注意します。
生育状況が悪ければ、果実が太ってからでも追肥を施します。
しかし、肥料分が多すぎると、つるばかり伸びて
実がつきにくくなる”つるボケ”になるので注意します。
・水やり
トウガンは乾燥を嫌います。
特に生育初期には水切れに注意しましょう。
地植えではそれほど神経質になる必要はありませんが、
乾燥が続くようなら、水やりをします。
つるが伸びてきたら、乾燥を防ぐために
敷きわらを敷くとよいでしょう。
■病害虫
比較的病害虫には強いのですが、高温期になると
ウドンコ病、疫病、アブラムシ、ハダニが発生することがあります。
粉をふいたようになれば、収穫です!
家庭菜園のトウガンの煮物、味も香りも上品で、果肉がやわらかく美味です
■収穫適期の見分け方
トウガンの収穫適期は、8月下旬〜10月下旬です。
実は大きいもので短径30cm、長径80cm程度にもなります。
開花後45日程度の完熟した実を収穫します。
完熟果は、表面の産毛が少なくなり、白っぽく粉をふいたように
なったら収穫適期です。
表面の産毛は鋭いので、果実をさわるときは、
厚手の手袋などをはめて作業します。
「姫冬瓜」など、粉がふかない品種の場合は、
表皮が濃い緑色になった頃が収穫適期となります。
開花後25〜30日のものを若採りしてもよいでしょう。
収穫後は風通しのよい冷暗所におけば、冬まで保存できます。
トウガンは漢方では、体を冷し、熱をさます効果があるとされています。
トウガンの種子は、利尿剤などとして用いられています。
>>トウガンのタネを各種見てみる