
紫タマネギを干して保存

淡路のタマネギ畑
タマネギは和洋中華各料理の名脇役であり、
一世帯あたりの購入量は約15kg前後で、
ダイコン、キャベツについで多く購入されている野菜でもあります。
15kg前後といえば、約80球ですが、
畝幅1.4m、畝長2.2mの菜園に、
株間11cmで4条に植え付けると約80球収穫できるため、
約3uのスペースを確保できれば、家庭菜園でも年間自給が可能です。
■タマネギ栽培のコツ
1.北海道以外は秋まき栽培で
2.12月と2月の追肥でトウ立ち防止
3.マルチ栽培は肥料の量に注意
タマネギは、極早生、早生種、中生種は
辛味が少ないので生食に、
中晩成種、晩成種は辛味があるので
加熱料理用に向いています。
辛味のある中晩成種や晩成種も、
輪切ではなく縦切りにしたり、
水にさらしたりすると生食でも食べやすくなります。
貯蔵中に日光に当たると外皮に近い部分が
緑色になることがあります。
食べることはできますが、サラダなどに使うと
違和感を感じるため、加熱調理用にするとよいでしょう。
■品種
家庭菜園にオススメの品種をご紹介します。
・貴錦…秋まき栽培用の極早生種です。
暖地の露地またはマルチ栽培、トンネル栽培に適しています。
葉タマネギとしても利用できます。
・ターボ…秋まき用の中生種です。
・もみじ3号…秋まき用の中晩生種です。
糖度が高く、貯蔵性が高いのが特徴です。
炒め物に特に適した品種です。
・あまがし2号…秋まき用の中生種です。
太りやすく、作りやすい品種です。
・くれない…秋まき用の中晩生種です。
紫タマネギで、サラダなどの生食用です。
葉が倒伏しないので、収穫期になったら試し掘りをしてみて、
目標の大きさになったら収穫します。
■タマネギの栽培
タマネギの球の肥大は、日長と温度によって決まります。
また、一定の大きさになった株が平均気温10℃以下の低温に
約1ヶ月以上合うと花芽分化し、高温・長日条件でトウ立ちすること、
幼苗は寒さに強い一方で暑さには弱いこと、などから、
北海道は春まき栽培、その他の地域は秋まき栽培がよいでしょう。
・植え付け
タマネギの種子は寿命が短く、
すぐに発芽力が低下してしまうので、
家庭菜園ではタネまきからはじめず、
苗を購入して植え付けると簡単でよいでしょう。
植え付けの2週間前に、
1uあたり苦土石灰100g、堆肥2kgを混ぜ込み、よく耕しておきます。
1週間前になったら、化成肥料を1uあたり40g施し、よく耕します。
畝は幅60cmのベッド畝としますが、
畝の高さは、菜園の排水性により異なります。
排水性のよい菜園では低く、悪い菜園では高くします。
苗の植え付け時期は、秋植えは11月頃、春植えは5月ごろが適期です。
条間30cm、株間10〜12cmで植え付けます。
親指と人差し指で苗の葉梢部(緑色の部分の下の緑白色の部分)の
基の部分をつかんで土中に差し込みます。
葉梢部の半分まで土の中に埋め、株元をしっかり押さえます。
深植えにならないように注意します。
植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。
-5be1c.jpg)
・マルチ栽培をする場合
黒色ポリマルチ栽培は、地温を上げたり、雑草対策としても有効です。
マルチ栽培では、肥料お流失が少ないので、施肥量は8割程度にします。
ただし、マルチの上から追肥を施すのは難しいので、全量を元肥に施します。
1uあたり130g程度となります。
マルチ栽培をしない場合は、初霜の前に、全面に敷きわらをします。
・追肥と土寄せ
追肥は、12月中旬〜下旬、2月中旬〜下旬、3月中旬〜下旬の3回、
1uあたりそれぞれ40gずつ施します。
追肥したら土寄せをしてあげましょう。
冬季で生育が緩慢な時期ですが、
12月と2月の追肥を怠ると、トウ立ちが多くなります。
トウ立ちを防ぐには、この時期にしっかり追肥を施すことがポイントです。
3月の追肥は、春以降の生育を促進させるための追肥です。
4月以降に追肥を施すと、保存性が悪くなります。
・水やり
タマネギは乾燥に強い野菜ではないので、乾燥が続くようなら
水やりをしましょう。
特にマルチ栽培では、球の肥大期に乾燥しがちなので、
よく気をつけます。
-1437c.jpg)
タマネギの収穫、みずみずしくて甘いです

オニオンスライスで味わってみてください
■収穫
4月〜5月は、葉タマネギとして利用できます。
5月〜6月になり、茎葉が8割ほど倒れたら、
晴れた日に抜き取って収穫し、そのまま半日ほど置いて乾かします。
トウが立ってしまっても、トウ以外は食べられるので、
早めに収穫してしまいましょう。
タマネギは貯蔵性に優れているので、風通しの良い日陰に
吊るして保管するとよいでしょう。
■病害虫
3月以降、暖かくなってくると病害虫の発生も増えてきます。
3月下旬にはべと病に効く殺菌剤を、4月以降は灰色カビ病や
ネギアザミウマなどに効く殺菌剤、殺虫剤を、
発生状況を見ながら散布します。
軟腐病や腐敗病、白色疫病などの予防策としては、
排水を良くすることが効果的です。
貯蔵中に発生する病気としては、黒カビ病があります。
外皮を剥ぐと、黒いススが点々とついています。
乾燥させた後、冷蔵すると発病しません。
>>タマネギの苗を各種見てみる
*タマネギ栽培の詳しく分かりやすいサイトは↓
>>タマネギ栽培.com