
天ぷらが美味ですね
伊豆大島で島内めぐりのタクシーを頼んだときに、
海辺は危険だからアシタバ摘みをしましょうと言われ、
アシタバばかりを摘んで回った記憶があります。
アシタバ(明日葉)の名前の由来は、
「今日葉を摘んでも明日になればまた生えてくる」と、
言われるほどの強靭な生命力に由来します。
このようにアシタバは生育が旺盛であり、
栄養も非常に豊富な健康野菜です。
■アシタバの栄養
アシタバは見た目の通り緑黄色野菜です。
緑黄色野菜といえば栄養分が豊富なことで知られていますが、
アシタバはそのなかでも、ビタミンやミネラルがトップレベルに多いのです。
特にビタミンは、βカロテンやビタミンB群、
ビタミンC,Eの含有量は、驚くほど多いです。
特にβカロテンは、ホウレンソウの2倍も含まれています。
それだけではなく、含まれているビタミンの種類も多く、
特にビタミンB群は、B12を除くすべての種類が含まれている、
非常に珍しい野菜です。
ビタミンB群の中でも、脂質の代謝やたんぱく質の合成、
皮膚を正常に保ったり口の中の粘膜を保護したりする働きのある、
ビタミンB2の含有量は、野菜の中でダントツに多さを誇ります。
また、ミネラルもカリウムやカルシウム、鉄も多いです。
特にオススメなのは、貧血の方。
造血に不可欠な鉄分とビタミンKのいずれも多いため、
貧血予防にはもってこいの野菜です。
食物繊維も豊富で、ケールの2倍も含有しているため、
便秘改善効果が期待できます。
また、アシタバ特有のフラボノイド色素成分である
カルコンは、強い抗菌作用と、抗ガン作用があり、
注目を集めています。
また、カルコンにはインスリン感受性を高める働きがあり、
インスリンの働きを正常に戻し、
糖尿病を予防する効果があるという報告もあります。
また、アシタバ独特の香りの元となる成分の、
クマリンにも、抗菌作用があります。
近年クマリンには、アルツハイマーの予防にも
効果があるという報告がされており、注目を集めています。
アシタバの葉や茎を折ると、
黄色く濁った汁が滲み出てきます。
この汁にはルチンやイソクエルシトリンといった成分が、
含まれています。
ルチンはビタミンPとも呼ばれている、
水溶性のビタミン様物質で、血管強化作用や抗酸化作用があります。
イソクエルシトリンには利尿作用があり、
むくみや水太りの解消などに効果があるとされています。
また、毛細血管を強くする働きもあります。

総合的に栄養価の高いアシタバ
■アシタバの利用法
おひたしや和え物、炒め物、天ぷらと、
普通の葉物野菜と同じように利用できます。
しかし、アシタバはその豊富な栄養素のためか、
独特の強いクセやアクがあります。
アシタバ特有の風味が気になる方は、
天ぷらにするとそれほど気にならなくなります。
豊富に含まれている脂溶性のβカロテンも、
吸収されやすくなるため、一石二鳥です。
いったん軽くゆでてから水にさらしても良いでしょう。
ただし、水にさらす時間が長くなると、
それだけ栄養素が失われるので注意しましょう。
■参考
・アシタバの育て方|植え付け時に苗の葉を切ります